三光石神社といのうは、西寿寺の西の山手にある地主神社で、西寿寺を建立する折、月と星と太陽をかたどった三光の御霊石が現れ、その御霊石を取り除くとその下から聖なる泉が湧きでたことで、この地が泉谷というように呼ばれ、西寿寺の山号も泉谷山となりました。その聖なる御霊石をご神体としてお祭したのが三光石神社です。現在の社殿は覆い屋の下に屋根がトクサ葺きの珍しい建物で、元禄14年に建立されたものです。それ以前は現在の場所より6メートルほど奥に建てられていたようです。トクサ葺きというのは、木の屋根で栃葺き、トクサ葺き、コケラ葺きと3種類ありますが、現在では栃葺きのものは存在せず、トクサ葺きの屋根をもつのは、京都では御所のお茶室と福王子神社そして西寿寺の3件のみとなっております。写真は10年前に葺き替えをしたときのものです。古い板葺きを取り外すとその下からわらじ2足と足袋が現れました。これは神様が他所に行かれないように足止めとして入れられたということです。この神社は「頭」を守るご利益があり、ボケ封じの神社として信仰を集めております。また、江戸時代には「鳴釜」を神事として行い、平成15年よりコロナが始まるまで、毎年11月に社殿の前で鳴釜を奉納させていただいておりました。今年からまた再開したいと思っております。
合掌