この言葉は、「いちごいちえ」と読みます。一生に一度限りの機会という意味です。 「一期」とは一生、「一会」とは一度の出会いのことです。 何度も会う機会がある人に対しても、常に「これが最後かもしれない」と考え、そのときを大切にすべき、という教えです。今日は昔からの信徒さんでお盆だけお参りに伺っていた老婦人が、去年のお盆過ぎにご他界されていたことを偶然知りました。この老婦人のお姑さんからのご縁で、かつては毎月お参りにさせていただいていたお家でした。托鉢のご縁で西寿寺の信徒さんになられ、50年ほど前まで年に1回の大法要には必ずいらしてくださった方でした。お盆にお伺いすると、亡くなられたお姑さんの話や17年前に他界されたご主人の話、そして、ご主人のご親戚にさんざん苦労させられた話等々。お盆のお経は短くても、そのお宅を失礼するのには1時間30分以上かかりました。だから、お盆のお参りの一番最後に伺うことにしていました。とても良い方で私はこの方が好きでした。去年のお盆に「私、もう少しで93歳になるの」と楽し気に話され、帰りがけには「来年のお盆にお会いできるのを楽しみにしてますね」と言ってくださいました。この言葉はお別れの際にはいつも私に言ってくださる言葉ですが、私は心の中で『嬉しいけれど、今年が最後かも………』いつも思っていました。ですから、お盆前にこの方からお電話をいただくととても嬉しく思っていました。本当に人生は、一期一会。会うは別れの始めとはよく言ったものです。誰と接するときでもこの心を忘れずに真心をこめて相対したいと思いました。長いこと本当に良くしていただいて感謝しています。いつか、お浄土でお会いしましょう。合掌