庭園葬・ホワイトロードには白いモクレンの木が植わっています。もう20年程前になりますか。おばあさんとその娘のお孫さんという方が突然訪ねてこられて、「お宅に白いモクレンがありますか」と尋ねられました。新聞にうちの庭園葬が取り上げられ、その記事の写真に白いモクレンが載っていたというので、岸和田から2人で来られたそうです。お話を聞くとおばあさんの娘さんはすでに亡くなっておられ、病院で闘病中に「私は白いモクレンの花の下に埋めてほしい」と言われたそうです。娘さんは、若いころ離婚されて女で一つで一人息子さんを養育されてきたそうです。一緒に来られたのはその息子さんでした。ちょうど大学に入られたばかりで、ほっそりとした線の細い感じの方でしたが、「母の願いを叶えてあげたい」と祖母と二人で懸命に探したが見つからず、あきらめかけたところが、娘さんの知り合いの人からその新聞の記事を見せられて、急いで西寿寺を訪ねてこられたそうです。その後、お母さんはその願いの通り白いモクレンの木の下で永眠されています。おばあさんがお元気な時は、毎年白いモクレンの花を見に来寺されていました。あれから長い年月が過ぎて、おばあさんはご存命かどうかはわかりませんが、今年も娘さんの白いモクレンは美しく咲きました。きっと、息子さんもお参りにはいらしてくださっているのではないかと思っています。合掌